日本のメディアで、よく「フランス在住の〜さんが」「アメリカ在住10年の元〜さんが」というキーワードをタイトルに含んだ記事を目にします。

この「海外在住」というキーワード。

好奇心をかきたてられ、ついクリックしてしまうことがよくあります。

その国で暮らしていなければ、現地の様子はなかなか分からないもの。好奇心が高まりますよね。

「でも、そういう情報ってどれだけ主観的なものだろう?」と思ったことはありませんか?

海外在住ブログを運営しているなら、気をつけたいポイントをいくつか挙げてみます。

  • 個人の意見をその国全体のものとしないこと
  • 母国を含め他国の在り方を卑下しないこと
  • 自分のビューポイントであることを明確に記すこと

ではもう少し詳しく。

ビューポイントは人それぞれ

「海外在住」といっても内容は個人のビューポイント。

例えば、インフルエンザが流行していて、「東京レベルの世界の大都市ではどうなっているんだろう?」と思った読者が、「〜在住の」というブログをクリックしたとします。

そこには「このインフルエンザに対する日本人の危機感がなさすぎる、海外を見習うべき」といった声が含まれているかもしれません。

でも、帰宅してすぐに手洗い・うがいをする習慣がついている国は世界でどれだけあるでしょう?風邪が流行る時期にマスクをして外出することが当たり前の国は?

挨拶時に頰をつける文化も、ジェスチャーも声も大きく陽気に話す文化も、個人の衛生管理が神経質なほど行き届いている文化も、「世界」といっても実に多種多様です。

海外に住んでいれば、そのくらいの視点を培っているはずだとは思いますが、緊急時には忘れてしまうのかもしれません。

現地と日本を比較したいのなら、普段の様子、マイクロで実際に体験していること、マクロでよく耳にすること、それを組み合わせた個人の感想、といった具合にまとめておけば、読者が自分で判断するための情報を提供できます。

読者が探しているのは「リアルな現地情報」というポイントを忘れないといいかもしれませんね。

他国の在り方を見下さない

最近はメディア企業とパートナーシップを組まずに、個人が世界へ向けて情報を簡単に発信することができます。でも、その数が増えるほど、目にするものすべてが気持ちの良いものではないという傾向も否めません。

例えば、「アメリカに移住して5年」というブロガーが、アメリカと日本の児童教育の違いについてブログを書き、日本の教育がいかに遅れていて、アメリカを少しでも見習った方が良い、といった内容になっているとします。

辛口の読者であれば「たった5年で何がわかる?」と思うかもしれません。さらに、そのブロガーが周囲との関わりは子供を通したもの、英語も日常生活のベーシック程度、渡米してからすぐ南部の片田舎に引っ越し、といったケースかもしれません。アメリカはとても広い国ですし、州によって文化も相当違います。

個人のミニマルな体験をその国全体として表現することで、誤解を招くことも充分にありえます。

2か国の違いを指摘し、見習ったら良いだろうポイントを紹介するならともかく、自己体験で他国や母国の在り方を見下すような内容は、読んでいて気分の良いものではないことはもちろん、有益な情報とは言い難いでしょう。

自分の意見はハッキリと区別する

海外在住の素人ライターを集めて、クリック数だけを重視するメディアも少なくありません。

そこで重要なのは、見出し、目にとまりやすいタイトルと言われています。

「海外と日本はこう違う」という視点から、政治、医療、教育、エンタメ、結婚・恋愛と色々なトピックがそうしたメディアではカバーされていますが、個人の感想を、その国全体の現状といった様子で書かれていることが多いように見受けられます。

当たりさわりのない視点と、大手メディアが過去に公開した参照記事がリンクされている程度のコンテンツを海外レポとしては、おかしなイメージが「事実」として広まってしまうかもしれません。

「海外在住」ブログを書くならば、やはり「これは自分の視点」ということを分かりやすく表したものにした方が、読者にも自分が意図したように理解してもらえるのではないかと思います。

Takeaway

アメリカでも読者・視聴者とダイレクトにコミュニケーションを図るメディアのスタイルが随分前から一般化していますが、この傾向はまだまだ続きそうです。

見る側にも情報源のオプションが増え、様々なビューポイントがもっと簡単に目に入ってくるようになる。異文化を紹介する上で必要なのは、あらゆるビューポイントです。

メディアを通じて、メインストリームが紹介していない視点をどんどん投稿していけば、異文化コミュニケーションをリアルに体現できます。

「今週はあの国のどこかで何が起きてるんだろう!」と興味をひくような「海外在住ブログ」がもっともっと増えていくといいなと思います。

 

 

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